新NISA導入
2024年からいよいよ新NISAが始まります。
新NISAは簡単に言えば非課税枠の拡大です。
ポイントは以下の通りです。
・非課税枠が増える
・つみたてNISA(つみたて投資枠)と株式NISA(成長投資枠)が併用できるようになる
・売却すると非課税枠が(翌年だが)復活する
僕はつみたてNISAを利用していたので、株式の売買ではNISAを使えませんでした。
それが2024年の新NISAでは、つみたて投資と上場株式への投資(成長投資枠)が併用できるようになります。しかも、成長投資枠は倍額の年間240万円まで増えます。
※詳細は証券会社のサイトの解説などでご確認ください。
僕みたいな少額投資家にとっては追い風です。
そこでこのチャンスをどう生かすのか、と思案しているところです。
IPO(新規公開株)
今回はIPOに焦点を当てました。
IPOとは新規公開株のことです。
新規公開する株を上場前に購入できれば高い確率で儲けを得ることはできますが、原則として抽選になります。
この抽選の当選確率も低いのですが、当選しても最小単位の株数しか購入できません。
(極度の不人気株なら複数当選する可能性もあるかもしれませんが…)
ということで、当たればいいですが、それほど期待はできないので、もっと高頻度で売買できるやり方はないかと考えました。
IPOのセカンダリー投資
セカンダリーとは、上場した後に購入することです。これなら誰でも買うことができます。
しかし、IPOは一般的に人気が集中することが多く、初値が想定外に高くなる可能性があるため、下手に手を出すと大きな損失を被る可能性があります。
また、上場して数日するとすぐに人気が下火になって売買高が急減し、銘柄によっては下降線をたどり続けるものもあります。
もっとも、新規公開株に限らず、株価の上下は誰にも予想できません。
初値買い→大引け売り
そこで、僕は2023年の上半期(1月~6月)に上場した新規公開株を、初値(=セカンダリー)で購入して、その日の大引けで売った場合、儲かるのかを検証してみました。
- 東証に上場した銘柄に限定しています。
- 手数料は考慮していません。
- すべて最低投資単位の購入での試算です。
- 翌営業日に初値が付いた銘柄はその日に購入し、大引けで売却した想定です。
- 評価は「やさしいIPO株のはじめ方」を参照しています。
上場日 | 銘柄名 | コード | 評価 | 公募 | 初値 | 終値 | 上昇率 | 損益 |
1/27 | テクノロジーズ | 5248 | C | 1,000 | 3,650 | 3,600 | -1.4% | -5,000円 |
2/24 | プライムストラテジー | 5250 | B | 1,390 | 3,130 | 3,830 | +22.4% | +70,000円 |
3/22 | SHINKO | 7120 | C | 2,200 | 2,250 | 2,020 | -10.2% | -23,000円 |
3/23 | ハルメクホールディングス | 7119 | C | 1,720 | 1,981 | 2,381 | +20.2% | +40,000円 |
3/23 | 日本ナレッジ | 5252 | C | 1,500 | 3,750 翌営業日 | 3,510 | -6.4% | -24,000円 |
3/23 | アイビス | 9343 | C | 730 | 2,121 翌営業日 | 2,621 | +23.6% | +50,000円 |
3/27 | カバー | 5253 | C | 750 | 1,750 | 1,400 | -20.0% | -35,000円 |
3/28 | Arnet | 5254 | D | 1,440 | 1,802 | 1,483 | -17.7% | -31,900円 |
3/28 | アクシスコンサルティング | 9344 | D | 1,950 | 3,030 | 2,754 | -9.1% | -27,600円 |
3/28 | モンスターラボホールディングス | 5255 | C | 720 | 1,050 | 1,075 | +2.4% | +2,500円 |
3/29 | Any Mind Group | 5027 | D | 1,000 | 1,000 | 1,009 | +0.9% | +900円 |
3/29 | 住信SBIネット銀行 | 7163 | D | 1,200 | 1,222 | 1,205 | -1.4% | -1,700円 |
3/30 | ビズメイツ | 9345 | B | 3,250 | 5,310 | 5,080 | -4.3% | -23,000円 |
3/30 | ノバシステム | 5257 | C | 1,700 | 2,565 | 2,320 | -9.6% | -24,500円 |
3/31 | ココルポート | 9346 | C | 3,150 | 4,135 | 4,835 | +16.9% | +70,000円 |
3/31 | Fusic | 5256 | B | 2,000 | 6,530 翌営業日 | 5,580 | -14.5% | -95,000円 |
4/4 | トランザクション・メディア・ネットワークス | 5258 | D | 930 | 1,388 | 1,265 | -8.9% | -12,300円 |
4/12 | ispace | 9348 | D | 254 | 1,000 翌営業日 | 1,201 | +20.1% | +20,100円 |
4/18 | ジェノバ | 5570 | C | 470 | 2,106 翌営業日 | 2,255 | +7.1% | +14,900円 |
4/19 | エキサイトホールディングス | 5571 | C | 1,340 | 1,700 | 1,610 | -5.3% | -9,000円 |
4/20 | 南海化学 | 4040 | C | 1,740 | 2,533 | 3,035 | +19.8% | +50,200円 |
4/21 | 楽天銀行 | 5838 | D | 1,400 | 1,856 | 1,930 | +4.0% | +7,400円 |
4/25 | レオス・キャピタルワークス | 7330 | C | 1,300 | 1,730 | 1,699 | -1.8% | -3,100円 |
4/26 | Ridge-i | 5572 | C | 1,750 | 4,445 翌営業日 | 4,305 | -3.1% | -14,000円 |
6/13 | ABEJA | 5574 | B | 1,550 | 4,980 翌営業日 | 5,140 | +3.2% | +16,000円 |
6/14 | Globee | 5575 | C | 1,150 | 2,666 | 2,380 | -10.7% | -28,600円 |
6/21 | シーユーシー | 9158 | D | 1,920 | 4,430 | 4,600 | +3.8% | +17,000円 |
6/22 | アイデミー | 5577 | B | 1,050 | 5,560 翌営業日 | 4,560 | -18.0% | -100,000円 |
6/22 | リアルゲイト | 5532 | C | 1,790 | 3,810 | 3,110 | -18.4% | -70,000円 |
6/23 | ARアドバンストテクノロジー | 5578 | C | 1,260 | 3,950 翌営業日 | 3,590 | -9.1% | -36,000円 |
6/26 | ブリッジコンサルティング | 9225 | A | 1,300 | 4110 翌営業日 | 4,810 | +17.0% | +70,000円 |
6/27 | エリッツホールディングス | 5533 | C | 1,580 | 2,000 | 2,500 | +25.0% | +50,000円 |
6/27 | クオリプス | 4894 | D | 1,560 | 1,680 | 1,312 | -21.9% | -36,800円 |
6/28 | プロディライト | 5580 | C | 1,440 | 3,005 | 2,399 | -20.2% | -60,600円 |
6/28 | ノイル・イミューンバイオテック | 4893 | D | 740 | 695 | 715 | 2.9% | +2,000円 |
6/29 | W TOKYO | 9159 | B | 3,000 | 7,000 | 6,700 | -4.3% | -30,000円 |
6/30 | ジーデップ・アドバンス | 5885 | A | 4,510 | 10,680 | 13,680 | +28.1% | +300,000円 |
6/30 | ノバレーゼ | 9160 | D | 600 | 590 | 520 | -11.9% | -7,000円 |
6/30 | クラダシ | 5884 | C | 520 | 800 | 785 | -1.9% | -1,500円 |
検証の結果、+151,400円でした。プラスになってはいますが、6/30に上場したジーデップ・アドバンスの+300,000円によるところが非常に大きいので、それを抜いて考えると-148,600円です。ただ単に初値を買って大引けで売る手法はイマイチなようです。
評価ごとに分類してみると、
評価 | 利益(銘柄数) | 損失(銘柄数) | 損益 | 勝率 |
A | +370,000円(2) | 0円(0) | +370,000円 | 100% |
B | +86,000円(2) | -275,600円(5) | -189,000円 | 28.6% |
C | +347,600円(8) | -334,300円(13) | +13,300円 | 38.1% |
D | +47,400円(5) | -89,700円(5) | -42,300円 | 50.0% |
合計 | +851,000円(17) | -699,600円(23) | +151,400円 | 42.5% |
A評価は最も良いパフォーマンスを示した一方で、B評価は勝率・損益ともに最低のパフォーマンスでした。
C評価は利益こそ出ましたが、勝率は4割弱なので、一部の高騰銘柄に牽引された格好です。
D評価は勝利は5割でしたが、損益は低調でした。
ここまでを見てくると、「A評価は買い」と言えますが、本当にそうでしょうか。心配性な僕は2022年のデータを集めてみることにしました。
2022年のIPO評価ごとのまとめ
単純に「初値買い→終値売り」をしてみたら…
評価 | 利益(銘柄数) | 損失(銘柄数) | 損益 | 勝率 |
S・A | +398,400円(A6) | -646,500円(S1, A6) | -248,100円 | 46.1% |
B | +210,500円(3) | -378,500円(5) | -168,000円 | 37.5% |
C | +712,500円(18) | -719,900円(32) | -7,400円 | 36.0% |
D | +155,200円(9) | -55,100円(10) | +100,100円 | 47.4% |
合計 | +1,476,600円(36) | -1,800,000円(54) | -323,400円 | 40.0% |
2022年のデータを見ると、S・A評価の銘柄が最も損失が大きく、評価が下がるに反比例して損益が改善し、D評価の銘柄では10万円以上の利益となりました。なお、合計では32万円以上の損失でした。
これを見る限り、「A評価は買い」とは言えないようです。また、D評価が最も良いパフォーマンスをたたき出すなど、2023年との共通項を見つけ出すのは非常に困難な結果となりました。
初値の付き方が異常に高くなったため、上場初日にストップ安に見舞われて大きな損失を出す銘柄も珍しくありません。その点を考慮した上手な売買方法を模索してみたいところですが、今回のブログではここまでとしたいと思います。
まとめ
ひとまず今回の分析でわかったことをまとめます。
- 単純な「初値買い→終値売り」では利益は出しにくい
- 投資対象とする評価を絞っても安定した利益を出すことは難しい
- IPOセカンダリー投資をメインで行うにはより詳細な分析が必要である
だれかのお役に立てれば幸いです^^
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